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熊谷幸治|Yukiharu KUMAGAI|土器|24-036
山梨の上野原にて土器づくりに取り組む熊谷幸治氏は、陶磁を専攻していた大学時代、産地巡りの旅先で訪れた資料館で縄文土器と出会い、剥き出しの土の質感に「これも焼き物なのか」と、衝撃を受けて以来、食事の為の器から抽象的な造形物まで、道具的世界と感覚的な領域を行き来しながら、一貫して「土の魅力を引き出す」という命題を主軸に据えた活動を続けています。
900℃未満という土が焼き締まらない低温で焼成される土器は、実用には向かないものと見なされることが多々あります。しかし、熊谷氏の土器は、焼成直後に蜜蝋を含浸させる水留めの仕上げにより、汁椀や湯呑み、あるいは花器といった用途での日常使いに耐えうる道具として、鑑賞のみを目的とした器とは完全に一線を画しています。
熊谷幸治|Yukiharu KUMAGAI|土器|24-036
高さ約15.5cm
*蜜蝋含浸仕上げ